トライオートFXで出た利益は確定申告が必要です。
なぜなら、株式、投資信託、ソーシャルレンディングといった金融商品とは異なり、運営会社に源泉徴収してもらう手段がないからです。
また、トライオートFXでは実現損益に比べて評価損益が大きくなりやすく、そのままだと損しやすい構造になっています。
ということで、本記事では同商品における利益の確定申告手順と、12月31日までに絶対にやっておきたい節税方法について解説します。
ご注意
本記事の内容は筆者が実際に行った作業をまとめたものであり、申告方法の正確性を保証するものではありません。申告内容への責任は負いかねますので、実際に申告される際は、必要に応じて税理士や税務署の職員の方に必ずご確認ください。
トライオートFXにおける確定申告の手順
1.画面右上の「報告書ダウンロード」ボタンを押す
2.「期間損益報告書」タブを選択し、損益を計算したい年の1月1日〜12月31日を指定して「ダウンロード」を押す
3.「OK」を押す
4.利益の総額を計算する
以下のようなPDFファイルがダウンロードされます。
上段を見ると、以下の注意書きがあります。
※2 確定申告を行う場合には実現損益内訳より「為替差損益」と「スワップポイント損益」の合計金額をご記入ください。
これに従うと、以下の表における67862 + (-2637) = 65225円が利益の総額となります。これを申告します。
なお、キャッシュバックなどがあり「その他」に金額が入っている場合、これは「利益」としての申告には含めません。
代わりに、これは「一時所得」として申告します。詳しくはインヴァスト証券のサイトに以下ページがありますのでご活用頂ければと思います。
参考
https://www.invast.jp/blogs/faqs/account/tax/33
さらに以下のようなセクションもありますが、ここに表示されている損益は確定していないため、確定申告では一切使いません。
5.国税庁「確定申告書作成コーナー」で確定申告書を作成する
「分離課税の所得」の「先物取引に係る雑所得等」に入力します。
以下のように入力します。
※「種類」は「外国為替証拠金取引(トライオートFX)」まで入れてしまうと全角18文字を超えてしまうので、「FX」は除外してOKです(任意なのでアレンジして大丈夫です)。
※「決済の方法」は「差金決済」と入力します。
※スクリーンショットに映っていない部分は入力の必要はありません。
「入力終了」ボタンを押して完了です。
12月31日までにやっておかないと損する節税方法
先ほど、確定申告では使用しないとご説明した箇所をもう一度見てみましょう。
「実現及び評価損益の合計」の箇所に「21086円」と表示されているのにお気づきでしょうか?
これはつまり、12月31日までに持っていたポジションをすべて決済していれば、利益は65225円から21086円になっていたことを意味します。
税額を比べてみましょう。
税額の比較(小数点以下切り上げ)
何もしなかった場合:
65225円 × 20.315% = 13251円
12月31日までに持っていたポジションをすべて決済した場合:
21086 × 20.315% = 4284円
差し引き8967円の節税ができていますね。私は2018年は何もしなかったので、この分の節税をし損なってしまいました。
つまり、12月31日の段階で実現損益を減らせば減らすほど、収める税金は少なくて済むということになります。
そのためには含み損が大きい建玉から順番に決済していけばOKです。
ただし、トライオートFXはその仕組み上、そもそも含み損が出やすいので、決済しっぱなしだと単に損切りしたのと同じです。
なので、1/1になったらすぐに同じポジションを再度持って下さい(ここだけは手動で行う必要があります)。
また手動で持ったポジションは決済も手動となるので、含み損が解消する価格に指値で入れておくとよいですね。
そして念のためですが、含み損のポジションの決済は必ず年が明ける前に行う必要があります。
例えば2019年3月になってポジションを決済しても、それは2019年の損益となるので時すでに遅しです。
2018年のうちに決済しましょう。
年内にポジション解消、年明けにポジション再保有、3月に確定申告
ということで、トライオートFXで最大限節税するには、12月から3月にかけて以下の手順で動けばOKです。
税額の比較(小数点以下切り上げ)
1.12月下旬に一度期間損益報告書を出力してみる。実現損益が出ていれば、含み損のポジションを決済し、利益を最小化する
2.1月になったらすぐに↑のポジションを持ち直す
3.3月に確定申告
今回は以上です。
この記事が少しでもお役に立てば嬉しく思います。
それでは、また!