トライオートFXのコアレンジャー_豪ドル/NZドルは初期設定、すなわち「自動売買セレクト」のまま運用しても驚異的な利回りを叩き出しています。
事実、私も7週間ほったらかしで運用して10万円近くの利益が出て、150万円の元本に対して年利50%近い利回りとなっています。
ところが、この設定には問題点があり、ベストな設定とは言えません。
本記事ではその3つの問題点を解説し、さらに低リスク、高利回りに運用する方法を提案します。
1.買い注文と売り注文の値幅が重なっている
1点目の問題は「買い注文と売り注文の値幅が重なっている」点です。
どういうことか説明します。
まず、以下の図は豪ドル/NZドルの5年チャートに対して、初期設定において「どの範囲で売り注文と買い注文が行われているか」を可視化したものです。
青色が売り注文、赤色が買い注文です。
これを見ると、1.048~1.1005の範囲では売り注文と買い注文が同時に行われていることが分かります。
これは、過去5年のレートであればこの範囲に収まっていることが多いため、売りも買いも両方発注した方が利益が出る、という考えに基づいています。(コアレンジと呼ばれています)
これ自体は正しく、実際コアレンジにいる間はこの方が利益が出ます。
ところが、ひとたびコアレンジから外れてしまうと、上に外れても下に外れても含み損が大きくなってしまうという問題があります。
例えば、上に外れてレートが1.15になった場合、最も安い売り注文は1.048ですから、1000pipsもの含み損が出てしまいます。
下に外れてレートが1.00になった場合、最も高い買い注文は1.1005ですから、こちらも1000pipsもの含み損です。
1000pipsっていくら?と思った方のために説明すると、今のレートで10000通貨買った場合、約75000円です。計算方法は以下記事にまとめています。
ではどうすれば良いか?
以下のように、売りと買いが重ならないように設定をすべきです。
この場合、コアレンジはなくなるので、従来のコアレンジにおいては利益は下がりますが、その分外れたときのリスクも小さくなります。
例えばレート1.07を境に売りと買いを分けた場合、レート1.15のときの含み損は800pips、レート1.00のときの含み損は700pipsに留まります。
先ほどより20〜30%小さくなりましたね。
そしてこの違いは数量や注文数が増えれば増えるほど顕著になり、コアレンジを潰した後者の方がはるかに低リスクになっていきます。
2.注文の幅に対して利幅が小さすぎる
2点目の問題は「注文の幅に対して利幅が小さすぎる」点です。
以下の図は、「自動売買セレクト」の場合のコアレンジにおける買い注文の位置と本数を再現したものです。
具体的には、レート1.048から35pipsおきに16本、買い注文が行われます。
ところが、決済は20pips上がったタイミングで行われてしまうのです。
次の注文までまだ35 - 20 = 15 pipsあるのに、この15pipsは取りこぼしとなってしまいます。
ですので、設定は以下のように行うべきです。
もちろん、利幅を35pipsに広げると従来より決済されにくくはなるので、こちらの方が利益が大きいとは100%言い切れないです。
ですが、20pipsとの勝負であれば、間違いなく利益は増えるはずです。このあたりは実験してレポートしたいと思います。
3.直近5年程度のチャートしか想定されていない
最後の問題は、自動売買セレクトは「直近5年程度のチャートしか想定されていない」です。
1で出てきたチャートをもう一度見てみましょう。
Investing.comによると、過去5年では豪ドル/NZドルのレートは1.0182〜1.1396の間を推移していることが分かります。
では、これを過去30年に広げてみましょう。
すると、安値は1.0182で同じですが、高値は1.4757にまで上昇していることが分かります。
右下に過去5年のチャートをハイライトしていますが、比べてみるとそのスケールの差が歴然です。
この図から分かることは、
「過去5年のチャートだけを想定して運用していると、今よりもレートが上がる可能性が高く、特に売り注文の含み損が大きく膨らんでしまう」
ということです。
1で、最も安い売り注文は1.048だと書きましたが、30年チャートで見るとそれがいかにリスキーかが分かって頂けるかと思います。
なので、リスクを下げるのであれば1.0182〜1.4757までを想定した設定にしておくのが望ましいです。
一方で、30年というのはものすごく長い時間軸なので、このレンジを前提に設定すると投資効率が落ちる、というのも事実です。
その場合は、あえて過去5年のチャートをベースに設定して粘り、レートが1.1396を超えたら損切りして作戦変更、という方法もありです。
レートが想定レンジに収まっている限りにおいては、実際その方が投資効率は良いです。つまりハイリスクハイリターンだということです。
本件を3番目に持ってきたのは上記が理由です。ちゃんと30年チャートを見た上で、リスクを把握した上であれば良いのですが、盲目的に自動売買セレクトを信用してしまうのは問題です。
私の設定と成績
では、具体的に画面上でどのような設定をすれば良いのか?
については、このあと私が採用している実際の設定と成績も追って記事にして共有させて頂きますね。
お楽しみに!
今回のまとめ